直帰率と離脱率の違いをわかりやすく解説
直帰率と離脱率の違いをしっかり理解し、適切にアクセス解析しながら、サイトのパフォーマンス向上を目指すことが大切です。
今回は、直帰率と離脱率の違い、直帰率と離脱率が高い理由、直帰率と離脱率を改善する(下げる)方法について中心に解説したいと思います。

直帰率とは
直帰率とは、そのページで始まった全てのセッションのうち、そのページだけが唯一のセッションだった割合のことです。
直帰率は、Googleアナリティクス等のアクセス解析ツールを利用しながら、ページ単位もしくはサイト全体などに切り分けて分析することができます。
公式サイトでは、以下のように言及してます。
直帰率とは、1 ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値のことです。つまり、すべてのセッションの中で、ユーザーが 1 ページのみ閲覧して、Google アナリティクス サーバーに対するリクエストを 1 回のみ発生させたセッションが占める割合のことです。
※引用元:直帰率 – アナリティクス ヘルプ
離脱率とは
離脱率は、個々ページの全てのページビューのうち、ユーザーが最後に閲覧したページの割合です。
公式サイトでは、以下のように言及してます。
離脱率は、個々のページのすべてのページビューで、そのページがセッションの最後のページになった割合を示します。
直帰率と離脱率の違い
直帰率は「セッション」、離脱率は「ページビュー」と関連性が高いことを覚えておくと違いがわかりやすいと思います。
以下、直帰率と離脱率の違いを例で解説します。
例、サイトで 1 ページのみのセッションが毎日発生した場合
- 月曜日: ページ B > ページ A > ページ C
- 火曜日: ページ B > 離脱
- 水曜日: ページ A > ページ C > ページ B
- 木曜日: ページ C > 離脱
- 金曜日: ページ B > ページ C > ページ A
上記から、まず直帰率を出すために必要な数値のみを抜き出しました。
- ページAで始まったのは、1セッション
- ページBで始まったのは、3セッション
- ページCで始まったのは、1セッション
- ページAは、唯一のセッションが0回(0直帰)
- ページBは、唯一のセッションが火曜日の1回(1直帰)
- ページCは、唯一のセッション木曜日の1回(1直帰)
▼直帰率の計算式は以下になります。
ページAは、1(セッション)/0(直帰) * 100 =直帰率0%)
ページBは、3(セッション)/1(直帰) * 100 =直帰率33%)
ページCは、1(セッション)/1(直帰) * 100 =直帰率100%)
次に、離脱率を出すために必要な数値のみを抜き出しました。
- ページAは、3ページビュー
- ページBは、4ページビュー
- ページCは、4ページビュー
- ページAが最後だったのは、金曜日の1回(1離脱)
- ページBが最後だったのは、火曜日と水曜日の2回(2離脱)
- ページCが最後だったのは、月曜日と木曜日の2回(2離脱)
▼離脱率の計算式は以下になります。
ページAは、3(ページビュー)/1(離脱) * 100 =離脱率33%
ページBは、4(ページビュー)/2(離脱) * 100 =離脱率50%
ページCは、4(ページビュー)/2(離脱) * 100 =離脱率50%
このように、直帰率は全セッションをベース、離脱率は全ページビューをベースに算出しており、根本的に大きな違いがあることがわかります。
直帰率と離脱率が高い理由
直帰率と離脱率が高い原因として、それぞれ以下のような理由が考えられます。
直帰率が高い理由
- ファーストビュー
リンク内容とリンク先のファーストビュー(一番最初に見える内容)との整合性が低く、ユーザーが求めるコンテンツと相違してるため、直帰率が高い。
- 読み込み速度
読み込み速度が遅く、ページ(サイト)が表示されるまで時間を要するため、直帰率が高い。
- 内部リンク
サイト内の他ページへのリンク(内部リンク)が少ない、もしくは無く、ユーザーが続けて読み進める関連コンテンツへの動線が無いため、直帰率が高い。
- 見ずらい、わかりずらい
「誤字、脱字、意味不明な内容の文章」や、「冗長なテキスト文章で装飾が無いメリハリに欠ける文章」などの見ずらくわかりずらいページのため、直帰率が高い。
- 1ページで満足した
求める内容がコンテンツに記載されており、ユーザーがその1ページで問題解決でき満足したため、直帰率が高い。
とくに1枚ページのランディングページは直帰率が高い傾向。
離脱率が高い理由
- 申込などの完了ページ
申込や問い合わせなどのコンバージョン完了ページは、最終的にユーザーのニーズを満たすページであり、離脱率が高い傾向。
- 内部リンク
サイト内の他ページへのリンク(内部リンク)が少ない、もしくは無く、ユーザーが続けて読み進める関連コンテンツへの動線が無いため、離脱率が高い。
- 1ページで満足した
求める内容がコンテンツに記載されており、ユーザーがその1ページで問題解決でき満足したため、離脱率が高い。
とくに1枚ページのランディングページは離脱率が高い傾向。
また、このほかに、公式サイトでは以下のように言及してます。
直帰率の高さが問題になるのは、ユーザーがサイト内の複数のページを閲覧することが必要な場合です。たとえば、サイトのトップページがサイト内の他のページ(ニュース記事、商品ページ、購入手続きなど)の入り口として機能している状況で、多くのユーザーがトップページのみを閲覧しているとすると、高い直帰率は望ましくありません。
一方で、ブログのような 1 ページのみのサイトや、その他の 1 ページのみのセッションが想定されるようなコンテンツを提供している場合、直帰率の高さはまったく問題になりません。
※引用元:直帰率 – アナリティクス ヘルプ
このように、直帰率の高さと離脱率の高さは、深い関係があり、原因が比例する場合があります。
とくに、「内部リンクの状況」や「1ページで満足する」といったケースは、直帰率と離脱率のともに影響を受けやすいと言えます。
直帰率と離脱率を改善する(下げる)方法 ※Googleアナリティクス活用
直帰率と離脱率を改善する(下げる)には、例えばコンテンツの追加、内部リンクの最適化を中心に対策すると良いと思います。
SEOラボを例に一番トラフィックが多いトップページの直帰率・離脱率の改善(下げる)方法を紹介します。
直帰率と離脱率の推移

月別のトップページ直帰率と離脱率の対策内容
直帰率 | 離脱率 | 対策内容 | |
2015年12月 | 50.18% | 65.63% | ブログ記事のテキスト量増加 |
2016年1月 | 42.78% | 60.50% | ブログ記事のテキスト量増加、投稿回数増加、ページ下部にSEOに関するテキスト追加、内部リンク最適化 |
2016年2月 | 37.48% | 56.00% | ページ下部にSEOに関するテキスト追加 |
2015年12月から2月にかけ直帰率・離脱率が改善され、数値が下がってることがわかります。
このように、テキスト文章中心にユーザーが興味ありそうなコンテンツを拡充し、サイドカラムに「人気記事コンテンツ追加」、記事の下に「関連記事コンテンツ追加」などの内部リンク設置しながら、サイト内を回遊させるように仕向けることが大切です。
テーマに沿ったコンテンツ豊富なページを作り、読み進めてもらえる構成にしながら、直帰率・離脱率を改善してくことが重要です。
また、直帰率が高いページが多いことで、サイト全体の平均直帰率も高まります。
サイト全体の直帰率が高いと、ユーザーが求めるコンテンツが不足してる可能性があるので、今回の事例で紹介したような改善が必要です。
一方、離脱率は、ページ単位で分析し、離脱率が高いページを見つけながら、そのページを改善してくことが大切です。
直帰率や離脱率を改善し、目標ページ(申込完了ページなど)の離脱率が高まるようユーザーを回遊させながら、ページを最適化しましょう。
関連記事 Googleアナリティクスとは?導入から使い方までわかりやすく解説
直帰率と離脱率の目安・平均
弊社運営3サイトを例に直帰率と離脱率の目安・平均を紹介したいと思います。
以下全てトップページの数値となります。(※2016年2月16日時点)
①SEOラボ(http://seolaboratory.jp)
直帰率 | 37.38% |
離脱率 | 55.87% |
検索順位 | 13位(キーワード「SEO」) |
②devoコーポレートサイト(http://devo.jp)
直帰率 | 75.03% |
離脱率 | 70.91% |
検索順位 | 10位(キーワード「SEO対策」) |
③無料SEO診断ツール(http://itomakihitode.jp)
直帰率 | 42.50% |
離脱率 | 38.49% |
検索順位 | 9位(キーワード「SEO対策」) |
これら3サイトの直帰率の平均を計算すると、「(37.38% + 75.03% + 42.50%) /3 = 51.63% 」となります。
今回の事例だけから見れば、SEOに特化したページでは、「51.63%」が直帰率の平均であり、目安の一つと言えます。
正直言ってこの直帰率の平均数値は、高いと思います。
重要なのは、サイトのジャンルなど特定の目安にとらわれず、ページごとに直帰率の改善に最善を尽くし、サイト全体の直帰率の平均を常に下げるように対策することです。
直帰率と離脱率の計算
直帰率と離脱率を計算するには、基本的にページ単位だと以下のような計算式となります。
直帰率の計算式
直帰率(%) = 全セッション数/直帰(唯一の閲覧された数) * 100
離脱率の計算式
離脱率(%) = 全ページビュー数/離脱(最後に閲覧された回数) * 100
「直帰率と離脱率の違い」でも詳しく触れてますので、合わせてご参考ください。
まとめ
直帰率と離脱率の違いを明確にし、適切にアクセス解析しましょう。
サイトのパフォーマンスを数値で把握し、SEO対策しながら、ホームページを最適化することが重要です。
そうすれば、利便性の高いサイトとして評価され、上位化が期待できます。